漣(さざなみ)農業日記

農業によせるさざなみから自分を考える

今押し寄せる波は、さざなみなのだろうか、荒波なのだろうか。

ある中山間農村の現実

私の妻は若い頃、千葉県南部にある東京都の健康学園で児童の教育に携わっていたことがあった。先日久しぶりにそのとき同僚だった女性から妻に電話があった。驚いたことに、最近、夫君がなくなったという話である。 このご夫婦は職場結婚で、夫だった方は、県…

変化を新しい資源としてとらえ、次の展開へ

農業の担い手の減少の中で、10年以上前に事業化された農の雇用事業が現在も続いている。わたしたちNPO法人ちば農業支援ネットワークでは、事業を受けた経営体の調査を組織として請け負い、事業開始当初から実施している。 今回、私が担当している経営体であ…

農業支援サービス

昨年の夏から秋にかけて農水省が農業支援サービスのアンケートを行った。20000人に対して行い、12938人から回答があったということである。 そのうち5436人が有償サービスを利用しており、回答者の42%にあたる。これはかなり高い数字であろう。そのうち、出…

私の就農、次世代の就農

電子書籍「農業は生き方です」から、執筆者の言葉をそのまま抜粋しました。 奥野さんは袖ケ浦市で大型の酪農経営を行っています。現在経営は長男に移譲されていますが、50年あまりの酪農人生を語っていただきました。 私が就農したのは1970年4月。年間売り上…

ジャガイモがもたらしたもの

チャールズ・C・マンという人が書いた歴史書「1493」では、コロンブスがアメリカ大陸に到着して以降、長年隔絶されていた生態系と生態系が突然出会い混じり合い、これが現代のグローバル社会の起源となっているという説を紹介している。その中で、ジャガイ…

農業における公務員の兼業について

農業では深刻な人手不足が続いているが、最近、この解決策の一つとして「公務員の兼業」ということがクローズアップされている。NHKのニュースだったと思うが、弘前のリンゴ農家で、市役所の職員が農作業に従事している姿も放映された。 もともと農業は季…

生乳廃棄の危機

コロナ禍の中、飲食店などの外食需要の落ち込みや学校給食での使用が減少するなどの原因により、年末年始になんと5000トンもの牛乳が廃棄される恐れがあるという。1頭の乳牛から生産される牛乳の量が年間7000kgとすると800頭分、40頭飼養している酪農家20件…

これから農業にチャレンジする人たちに

電子書籍「農業は生き方です」から、執筆者のことばをそのまま抜粋しています。 安田さんは、南房総市の千倉でトルコギキョウを生産しています。彼からいただいた名刺には「桔梗家」の文字がありました。 いま農業をやっている農家の後継者と新たに農業に飛…

あなた、60円の卵を買う気しますか?

スイスの女の子は至極当然のように、1個60円の卵を買うと答えました。 今、日本の農村の一番の問題は労働力問題。高齢となった農業者は次々に農業をあきらめ、農家戸数自体がどんどん減っている。耕作できない農地が増える中で、規模の拡大を目指す農業者、…

生産者と消費者が支える農業こそ「強い農業」

私は今年の9月から妻が参加している生協の方たち4〜5人で行われている「輪読会」にネットで参加している。現在読んでいる本は、東大の鈴木宣弘教授が執筆した「農業消滅」というショッキングな題名の本である。 私はこの鈴木教授については、10数年前、まだ…

農業があってこその・・・・この国

電子書籍「農業は生き方です」が「ボイジャー」という出版社から出版されています。これは、千葉県内の農業者のさまざまな取り組み、意見をそのまま載せたものです。これからこのブログで、一つずつご紹介します。紹介は、その方の文章の中から、私が印象に…

漣(さざなみ)農業日記はじめました

4年ぶりにブログを復活します。ブログの名称は「漣(さざなみ)農業日記」としました。 私は以前「漣(さざなみ)」という農業ミニコミ誌を作成し、約200名の方に送付していました。これは、農業者自身の投稿を中心に作ったもので、約3年半の間に10冊つくりまし…

さざなみの小さな波はどこへ

農業ミニコミ誌漣(さざなみ)は、No-10をもって終刊としました。このブログもそれに伴い、店じまいをすべきところですが、せっかく開設したものでもあるので、もう少し継続してみましょうか。1年に1~2回しか投稿していないブログですが・・・・ 漣(さざなみ)…

漣(さざなみ)の財産

農業ミニコミ誌漣(さざなみ)を3年間続けてきて、No-9の発送を終了しました。 今私は、情報誌の継続の難しさをつくづく感じています。今さら何を言っても継続できないことの言い訳になってしまうので、現在計画しているNo-10について少し書きたいと思います。…

自分で語ること

農業ミニコミ誌漣(さざなみ)を3年間、続けてきました。 職場を定年退職し、さまざまな農家の方との出会いから得たものをもっと消費者に伝えたいという思いからスタートした漣(さざなみ)でした。農業者の皆さん、仲間の皆さんの励ましがあればこそ続けてくる…

漣(さざなみ)NO-8もうすぐお届けします

4か月に1回の発行ですが、続けていくことの難しさを感じています。一番難しいことは、自分もだんだん年を取り、取材して情報や意見の発信をお願いする方々もいっしょに年齢を重ね、若々しさというものを失っていくことです。 でも今回はとても素晴らしいこと…

取材・執筆などの依頼に苦しんでいますヨ

もともと、農業ミニコミ誌漣(さざなみ)は思いつきみたいなところから始まったので、考えてみると、よく6号まで、取材や執筆にご協力いただける方が見つかったかなと思います。 それぞれの農業者が現実的にかなりの問題を抱え、それについてそれぞれの対応を…

ミニコミ誌の目指すものとは

漣(さざなみ)は、千葉県、しかも農業に特化したミニコミ誌です。小さい範囲の中だからこそなんとか回っていくということはたくさんありますが、ここ数か月、せっかく素晴らしい記事の寄稿を受けているのだから、もっと多くの方に読んでもらえないだろうかと…

集落営農について

漣(さざなみ)編集責任者である私は、千葉県の「集落営農加速化事業」とかいう事業の推進員に委嘱されているのです。それで、昨日君津市のある集落の座談会に参加してきました。集落営農というのは、本来個人で解決できない営農上の問題を、集落の人達で話し…

レンコンステーキレシピ紹介

漣(さざなみ)NO-4に寄稿いただいた金坂さんの素晴らしい蓮根を長南町協働交流サロンの方のレシピを見てステーキにしてみました。 1 レンコンを1.5cmの輪切りにする。皮は剥かず水にさらさない 2 オリーブオイルをフライパンに約70~100ml入れ、レンコンを…

農業者自身のじかの声がほしい

漣(さざなみ)2年目を迎えました。前のブログでもお話したように、単なるつぶやきでない農業者からのじかの発信の意味はますます強くなってきていると思っています。文章を書く時間が取れない、なにより書く能力がない、話すことならいくらでもというお話をさ…

おかげさまで2回目の正月をむかえました

農業ミニコミ誌漣(さざなみ)を発刊してから1年が過ぎ、2回目のお正月がやってきました。 ゼロ号を作成したときは、とにかくどのようなスタイルでできあがるかということが心配でした。柏市の市民と農業者の皆さんとが、どのようにして放射能問題を乗り越え…

規模拡大を促していながら・・現場の努力を今こそ

政府は、中核的担い手農家に水田を集約し、水稲農家の規模拡大を進める政策を一貫してとっていますが、それにしても今年の米価(前渡金)の水準はどうでしょうか。 1万円を割り込む低米価。今まで、兼業農家で他産業から入る収入をコメ作りの経費に変えながら…

津波と放射能汚染

先日機会があって福島県の相馬市、南相馬市、飯館村の状況を見て回りました。相馬市は、津波被害が大きく、農業機械が塩水をかぶりほとんど使えなくなってしまったようで、その機会を逆にとらえて、地元農業者の法人化が進み、経営の大規模化がすすめられて…

漣(さざなみ)の紹介が記事になりました

先日の19日木曜日の日本農業新聞ちば版に漣(さざなみ)の紹介記事が載せられました。漣(さざなみ)は、農業者から消費者への発信が基本的なコンセプトなので、一般紙に紹介されれば、興味を持つ消費者もいるかなと思います。 ただ、農業者の皆さんにも発信する…

旭市のVILLAGEの活動

先日、次号の準備で旭市をお訪ねしました。農業ミニコミ誌とはいえ、新しい話題、取り組みを継続的にとりあげていく必要がありますね。先月くらいから県内各地に漣(さざなみ)の地域情報モニターを少しずつお願いしながら情報をいただいています。 旭市の平野…

漣(さざなみ)No-2は5月15日にでます

農業ミニコミ誌の漣(さざなみ)の基本コンセプトは農業者から市民への発信を継続することによって互いの理解を深めることにあります。 編集責任者の自分にとっては、「農業者からの発信」というからには、農業者自身の方に自筆で投稿願えませんか?と最初にお…

農業者と消費者市民の互いの理解をすすめたい

農業ミニコミ誌漣(さざなみ)というのを、昨年9月にゼロ号、今年1月に創刊号を発刊しました。会員制の32ページのミニコミ誌です。 オバマ大統領来日の影響もあって、TPPということばが広く国民に理解されつつありますが、実質的な部分ではほとんど理解されて…