漣(さざなみ)農業日記

農業によせるさざなみから自分を考える

今押し寄せる波は、さざなみなのだろうか、荒波なのだろうか。

あなた、60円の卵を買う気しますか?

 スイスの女の子は至極当然のように、1個60円の卵を買うと答えました。


 今、日本の農村の一番の問題は労働力問題。高齢となった農業者は次々に農業をあきらめ、農家戸数自体がどんどん減っている。耕作できない農地が増える中で、規模の拡大を目指す農業者、または新規参入しようとする新しい農業者がこれらの農地を耕作する(しかし、耕作条件がととのわない農地は荒れていく)。農家にとって労働力の確保は難しく、大型機械の導入などにより、これをしのぐ。しかし、農産物価格は上昇せず、これらの農業者の生活を保障することは出来ない。60円の卵なんて、一部の卵以外どこにもあるはずがない。

 日本の農業は家族農業が主流。今まで十分な収益がない年であっても、家族労働費の計上を後回しにして生産を継続し、国民に必要な農産物を届けている。実際にコストに労働費を適正に上乗せすれば、60円の卵や10kg4000〜5000円のコメは当たり前になるかもしれない。それでも私たちの生活をしっかり支えてくれる農業の存在は貴重なのではないか。

 最近、海外輸出農産物が一兆円を超え、農業の将来は明るい光が差してきたなどのニュースが駆け抜けている。取引条件の良しあしだけで経営する農業が伸びていくことに一抹の危惧を覚える。