漣(さざなみ)農業日記

農業によせるさざなみから自分を考える

今押し寄せる波は、さざなみなのだろうか、荒波なのだろうか。

南いちはらで新たな農業の動き

星野農園で森林浴

 一昨日、久しぶりにじかに農業者の方の話を聞くことができました。私は昨年から、市原市市民大学というところで、地域のことを中心に学習しています。「南いちはら魅力再発見講座」という講座のなかで、「農業を次世代に」という学習があり、市のバスに乗り、市の南部にでかけました。

 はじめに市内田淵「株式会社加茂村ファーム」の柴原立子さんから話を聞きました。彼女は三井化学で勤務した後、新潟県の米販売会社を経て10年くらい前に、この加茂地区で農業を始めたそうです。昨年、市内で養豚を経営している北見さん(この方は南部で活性化のいろいろなしかけをしている人で有名な方です)から誘われて、経営を法人化して本格的に農業を開始しました。現在1.5haの畑地で野菜やブルーベリーの栽培をしています。さつまいもからは「つぼ焼き」という方法で焼き芋を作り、販売しています。

 次に高滝ダム近くの大和田というところで水稲を中心に営農しながらキャンプ場を併設して経営している星野真人さんです。彼は就農前はオートバイのリサイクルの仕事をしていたのですが、「俺にしかできない仕事をやりたい」と農業に飛び込みました。就農後5年程度しかたっていないにも拘わらず、この山沿いの地域で水稲の規模拡大を進めて現在は17ha以上の経営を行っています。そして、昨年からは集団での営農の重要さを認識して、地域に営農組合を立ち上げる準備を行い、現在地域づくりの先頭に立っています。 質疑の中で、「新規就農で、なぜ水稲なのか」という問い掛けの中で、「水稲でない施設園芸などは一人でもできる。しかし、水稲は一人ではできず、地域と共に生きなければならない。そういうほうが面白いと思ったから」と答えていました。さらに彼は、市民大学の卒業生で、他の異業種の方たちとのつながりも大切にし、現在五井駅周辺の活性化にも取り組み、朝市の取り組みをすすめています。このような姿勢は、とても新鮮でした。「このへんは夜星を見ると、とてもきれいなんです。ここで星の観察会なんかできないかな・・なんて秘かに考えているんですけど。」と想像力がつぎつぎと展開していくという印象を受けました。

 この二人には共通点があります。配偶者の方はいずれも他産業に従事されているということです。一時代前は、夫婦で営農に取り組む専業農家が多いことが大切だとされていましたが、このものさしは変えなければならないでしょう。柴原さんにいたっては、千葉市からの通勤農業ということです。